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木偶坊の美探求流浪記 そして酒場と食と人を求めての旅


by sanmu39

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136人のすばらしい先達たち



瀬戸内寂聴が日経に毎週連載(2007年1/6~2011年10/2の5年間)していた「奇縁まんだら」の書籍紹介。136人の偉大なる作家たちとの出逢い、エピソードなどをまじえたエッセーである。
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以下、瀬戸内寂聴の前書き
生きるということは、日々新しい縁を結ぶとこだと思う。数々ある縁の中でも人と人の縁ほど、奇なるものはないのではないか。
思いもかけない人と人が出逢い、心惹かれたり、うとましく思ったりする。一つの縁から次の縁に結びつき、円の輪が広がっていく。
結んだつもりの縁も、ふとしたことから切れることもある。
けれども切れたと思ったのは、人の浅墓な考えで、一度結んだ縁は決して切れることはない。そこが人生に恐ろしさであり、有難さでもある。
私は自分が長命でありたいと思ったことは一度もなかった。最も恐れていたのは老醜であり、老呆けであった。・・・・・
今や歴史上に名を止めた偉大なる作家たち逢えたということは、宝物のように有難い。
その人たちの記憶を、老い呆けてしまわない前に、書き残すチャンスを恵まれたことも、また望外の喜びであった。
日本経済新聞に毎週この随筆が連載されはじめて以来、私は駅や道端で見知らぬ紳士に呼びとめられ、
「日経のあれ、読んでますよ、面白いですね」
「奇縁まんだら愛読してますよ、ずっとつづけて下さい」
 と話しかけられる。これまでの長い作家生活にはかつてなっかた現象で、とても有難いし、嬉しい。
 書いているうちに、私には彼らの死が信じられなくなってきた。
「こんなことあったよ、あのこと忘れているの?」
 などと、死者の声がありありと私の書斎を訪れてくれることが多くなったからである。
 彼らの記憶の方が、はるかに私の記憶よりいきいきとしているし、面白い。
 こうして、私はちかごろでは、あの世からの声に助けられ「奇縁まんだら」をまだ書きつづけてている。・・・・・
 この人たちを未来の若い読者たちにも、このすばらしい先達たちを覚えてほしいし、この人たちの造った日本の文化を、改めて誇りにしてほしい気持ちでいっぱいである。
書籍_f0181746_9331923.jpg
「花無心招蝶 蝶無心尋花 (花無心に蝶を招く 蝶無心に花を尋ねる)」良寛の詩の一文であるが、瀬戸内寂聴というお人は、蝶であり花であった人。そんな人の書籍は「心で読み、躰で感じる」ものだ。
by sanmu39 | 2012-03-16 09:36 | 人間の旅 | Comments(0)